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2009年7月23日 (木)

トランスポンダーの搭載に関して

先日もお知らせしましたが、航空局からトランスポンダーの搭載に関するパブリックコメントの知らせが来たのを機会に現状を把握するため、全耐空検査員の方々に協力をいただき、昨年の実績を集計しました。

登録航空機一覧表から動力滑空機を拾い、完全に飛んでいない事が分かっている機体と完全に事故で再生不能の機体を除いてカウントしたところ、

ツアリング型(SF25B,C. SF28A, Grob G109B, Taifun, H36,HK36TTC,IS28M2等) 71機
ソアリング型(DG400,500,800. DiscusbT,Duo Discus T, Ventus, ASH26E等)46機

合計 117機が登録されています。

その内、ツアリング型の昨年の耐空検査数 56機、ソアリング型 36機 合計 92機が平成20年1月1日から12月31日までの間に耐空検査を更新又は新規輸入耐空検査を行っています。

その中で、トランスポンダーの搭載を調べた所、以下の結果でした。

ツアリング型 56機

トランスポンダー非装備 9機
モードA          22機
モードC          25機

ソアリング型 36機

トランスポンダー非装備 23機
モードA            1機
モードC           12機

この資料を基に、以下のコメントを滑空協会から航空局に要望致しました。

平成21年7月23日
国土交通省航空局技術部運航課
 運航第三係 山内道夫 様

(社)日本滑空協会 常務理事 甲賀 大樹

平成21年7月10日にご下問いただきました“トランスポンダーの装備要件等に係る航
空法施行規則の改正について”の意見照会に関して、以下ご報告申し上げます。
注:同文章を添付資料でお送りしております。(意見照会に関するご報告(トラポ
ン).doc

結論
1.    意見照会1.トランスポンダーの装備要件について
  日本の滑空界としては改正について、以下の要望を含めることで同意します。
    “動力の無い滑空機を除き、”の部分は、常時動力飛行を行わない滑空機を
除き、と言う趣旨になるよう変更して下さいますよう要望します。

2.    その他意見照会について異論ございません

3.結論1.要望の理由

*    動力滑空機はツアリング型とソアリング型があり、ソアリング型はさらにセ
ルフローンチ型(離陸可能)とサステイナー型(離陸不能)に分かれます。
*    ソアリング型動力滑空機は離陸時、および空中で高度獲得を要する場合、万
一エンジンスタートに失敗してもアウトランディングできる状況下で、胴体内からエ
ンジンを引き出して始動し動力飛行を行います。通常動力飛行の時間は極めて短く一
回10分以下、始動停止は一飛行でせいぜい2回です。エンジン停止後は胴体内に収納
します。
  ソアリング型はいわば帆走するヨットの補助エンジンのようなもので、その性格
からエンジンによる電力補充はできません。この種の機体には太陽電池パネルを取り
付けている機体がありますが、XPNDRの電力を賄えるほどではありません。
  “動力の無い滑空機”以外ということで、ソアリング型をXPNDR搭載対象にする
ことは、動力の無い滑空機の趣旨から外れることになりますので、明快にしていただ
くことを要望します。
*    ツアリング型動力滑空機は常時動力飛行を行い、稀にエンジンを停止して飛
行する場合がありますが、ジェネレーターを装着しており、電力供給に問題はありま
せん。
*    ソアリング型動力滑空機あるいは純滑空機が航空法施行規則第百四十六条に
該当する飛行を行う場合
    冬から春にかけて、西高東低の気圧配置になり、北西の季節風が吹く時、中
部地方、関東地方、東北地方では脊梁山脈に定常的に風があたり、山岳波(ウエー
ブ)が発生することがあるので、これを利用して滑空機で長距離飛行を行います。北
関東あるいは長野から東北地方往復飛行が行われます。この場合滑空機は10000ft以
上を飛びます。このような飛行を行うグライダーパイロットはせいぜい20人程度と極
めて少なく、その機体にはXPNDRが装備されております。また可視状態から最悪数秒
で衝突に至るリスクがあることを理解しております。
* 上記のような大飛行を除けば、純滑空機およびソアリング型動力滑空機の飛行は
ほとんど場周飛行に近いものです。上級パイロットでも通常の飛行では、ほとんど滑
空場から5マイル以内の空域を飛行しており、高度もせいぜい6000ft以下です。ツア
リング型モーターグライダーでも同様な飛行目的の機体が多くあります。
  このような機体には、空域にそれなりの事情がある場合を除いて、XPNDR搭載の
必要性が少なく、不要な機器搭載は無意味と考えます。

4.その他要望
*    トランスポンダー搭載と同時にTAB検査が必要になりますが、機器の信頼性
(MTBF)向上をふまえて、年間一回の検査をより長期化していただきたい。
*    上記はVHF無線機についても同様、年間一回の検査をより長期化していただ
きたい。

(構成:中澤)

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